うさぎのりんちゃんを見送るまで
最近の日課は、朝起きてからまず、りんちゃんの様子を見に行きます。
りんちゃんは、ご飯の入れ物に顔を突っ込んだまま動きません。
私は慌てて呼吸しているか確かめ、息していることを確認しホッとしますが、目に生気が感じられない時が多々ある為、様子を見に行く度に
心臓が止まりそうになります。
めっきり寒くなったため、りんちゃんのケージのヒーターは、付けっぱなしにし、
朝も早めにエアコンがつくようにタイマーにする事にしました。
りんちゃんがこんな事になってしまったのは、2ヶ月ほど前の、骨折から始まった気がします。
1年くらい前から、よくおしりが汚れているので、拭いてあげたり爪切り等もしていたのですが、右の前足が何だかおかしな方向を、向いていて、おしりを拭きながら見てみたら痛がる様子があったため、病院を探しました。
引越ししてから動物病院へ初めてかかるため、
ネットで小動物を診てくれる所を探しました。
が、しかし・・・
私が住んでいる所はかなり田舎で、
動物病院は、何ヶ所かあるにも関わらず、
小動物を専門に診てくれる病院が見つかりませんでした。
ネット上だと、小動物、エキゾチックアニマル対応!と書いてあっても実際電話してみると
「状況にもよります!」とか「診察はしますが、専門ではないので・・・」という回答しかありませんでした。
それでも、土曜日、日曜日も年中無休の動物病院で、一応診察してくれる所が車で20分くらいの場所に見つかったので、そこへ連れていくことにしました。
病院での診断は骨折と、足底潰瘍が出来ている!との事でした。
骨折も足底潰瘍も、ケージや、室内飼いしているうさぎさんに多いらしく、どうしても硬い床に直接皮膚が当たってしまうので出来てしまうらしいです。
りんちゃんのケージも、余計なものを入れるとたべてしまうので、ケージの下にチモシーを敷くくらいしかできなく、気の強いりんちゃんはよく地団駄踏んでたのでそんな事もあり、出来てしまったのでしょう。
骨折についても、もうそのまま固まってしまっていたのか、特に治療はなく、飲み薬だけ貰って帰りました。
その後は、骨折は痛がる様子はみせなくなり、
足底潰瘍も、良くなったり、悪くなったりを繰り返している感じでした。
元々あまり触れられることが嫌いだったりんちゃんでしたが、何年か前から少しづつ撫でてあげると気持ちよさそうにするようなりました。
私が世話をする時は、撫でてあげたり、ブラッシングしてあげたりはしていましたが、
正直言って、毎日とか、長時間構ってあげることは出来ていませんでした。
そんな最中
私は数ヶ月前に体を壊し、仕事を辞め、少し体調が戻ったので、転職をしたのですが失敗。
面接と話が全く違っていたので辞めてしまいました。
3ヶ月ほど、収入が無くなり、貯金もゼロ!
その上借金しなくては、支払いが出来なくなりました。
10年ほど前から運転手をしていて、
その労働時間の長さや、体力仕事ををする事が、年齢的にもきつくなっています。
そんな自分の都合が、最優先し、
りんちゃんを構ってあげることが、更に出来なくなっていました。
就職が、また決まり、そしてまた運転手ですが、とりあえずはホッとし、少し余裕ができた頃です。
「あれ!!?」「りんちゃんが歩かない!」
慌ててりんちゃんを抱き上げて足をみてみました。
・・・私は絶望し、大きな後悔の念にかられました・・・
りんちゃんの足は4本全て擦りむけ、足底潰瘍が無数に出来ていたのです。
「りんちゃん・・・ごめん」
私は思わず口に出して言っていました。
それなのに、病院へ行けたのは3日後。
悔しかったです。
「うさぎが大変だから」なんて仕事を休めません。言えません。
運転手という仕事は、代わりが直ぐに見つからないのです。
それでも、事情を話して、仕事を入れないようにしてもらい週末早めに帰らせてもらうことができました。
普段はふざけたセクハラ社長ですが、
こんな時は理解があって、感謝です!
りんちゃんを病院へ連れていくと、
もう、手の施しようがない。と言うような感じでした。
私もそれは何となく分かりました。
まだ少し前なら若さで回復もしたのですが、
りんちゃんも高齢なため、回復も遅く、
体が汚れて、雑菌等の心配もあるため、半日病院へ預け綺麗に洗ってもらうこととなりました。綺麗になって帰ったのですが、
しかし、りんちゃんはもう、トイレに上がることが出来ないので、
洗ってもらっても、直ぐに汚れてしまい、拭いても拭いてもきりがありません。
りんちゃんの治療は、お薬だけです。
毎日、朝晩、薬を飲ませ、ケージの掃除は朝と
夜は私がやり、日中は娘に任せることとしました。
お薬の効果もあり、
そしてもともと生命力の強い子なので、
体が動かなくてもご飯の入れ物に顔を突っ込んで一生懸命生きるために食べてくれています。
りんちゃんは、リンゴのドライフルーツが大好きで、歩けないにも関わらず、袋からドライフルーツを取り出そうとしていると、体を引きずりながら取りに来ます。
その姿が、愛おしく、言葉では表現出来ないほどの気持ちが込み上げて来るのです。
りんちゃん。
大好きだよ。